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2.総括
RFID(無線認識)タグの現状
 RFIDタグには、現時点ではコスト、認識距離などの技術的制約、電波法などの規制、セキュリティやリサイクル、標準化(規格)の問題など、克服すべき数多くの問題がある。しかし、いずれもここ2、3年のうちには、技術的にクリア、もしくは何らかの対応を示してゆくことができるだろう。

UHF帯RFIDタグ
 UHF帯RFIDタグは新しい製品であり、日本ではまだその利用が認可されていない。しかしコストを低くすることができ、長い認識距離(通信距離)を持つことから、他の帯域を利用するタグと比べて大きな優位性を持っている。

RFIDタグの仕組みを提供する側として
 指摘されている多くの問題を踏まえた上で、RFIDタグのシステムはさまざまな現場のニーズに答えうるツールとして高機能化しつつあるところだ。システムの提供者側としては、利用者とともにコストなどの問題の解決を図っていく上でも、このRFIDタグの特徴を活かして、利用者としてどのような使い方をしたいのかを示してもらいたいと考えている。
 たとえば、
 何に使うのか(use)、 
 データキャリアとしてRFIDタグにどのような情報をもたせたいのか(handling data)、
 どのような形、どのぐらいの大きさならばよいのか(type)、
 どのぐらいの認識距離が必要なのか(range)、
 読むだけでいいのか、書込みも必要なのか、
 一度だけ書ければよいのか、
 セキュリティはどの程度必要なのか、等々。

マスターデータベースの必要性
 RFIDタグを物流や商品追跡に活かしていくためには、やはりセンター的なデータベースシステムが必要になるだろう。ただし、それは中央集中管理を行う巨大なものではなく、インターネットの名前解決のしくみ(DNS)に似た、分散管理的なものになるだろう。
 また将来は、NPO(非営利団体)的な組織が管理していく必要があるだろう

RFIDが持つべきデータ量
 読取速度(能力)、コスト、システムの規模等から、RFIDタグにはあまり大きなデータを持たせるべきではない。データ処理の仕組みとして、ネットワーク、管理データベースが不可欠だろう。

RFIDタグの同時読み取り
 現在の技術では、たとえば915MHz(UHF帯)のもので、理論的に1,000個/秒の同時読み取りが可能である。実用的には2~300個/秒の同時読み取りができると考えてよいだろう。これはニーズとして、カートン(梱包箱)に添付するタグのレベルであれば妥当な数ではないか。

タグの装着
 現在物流の現場においては、個々の商品を収納したカートンや、カートンを集約するケース、ケースを積むパレットへのタグの装着の実証実験が行われている。個々の商品(アイテム)ベースでのタグの装着とデータの管理は、まだ途についたばかりである。

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